毎年提出する算定基礎届とは

 社会保険に加入していると、毎年算定基礎届を年金機構に提出します。これは、1年間の社会保険料を決定する給与額(標準報酬月額といいます)を決める届なのです。雇用保険料は、毎月毎月賃金を支払うごとに、保険料率をかけて保険料を納付します。

 しかし、社会保険料については、1年間の仮給与額を決めて、それに対する保険料を1年間、納付していきます。その仮給与額を決めるのが算定基礎届です。算定基礎届は、4月5月6月の3か月間に実際に支払われた給与額の平均を届け出ることで、保険料の基となる標準報酬月額が、決定します。

算定基礎届で注意する給与額や出勤日数

 算定基礎届は、4月5月6月の3か月に実際に支払われた給与額の平均を標準報酬月額にしますが、この3か月の給与額が適当でないケースがいろいろあります。

 病欠などで、ほとんど欠勤していて給与額が少ないとか、月の途中で入社して出勤日数が少ないとか、今回のコロナウイルス感染症拡大防止のための休業で休業手当が支払われたとかです。

また、出勤日数が17日未満の月も、適正に3か月の平均が出せない状況となるため、その月は、除くこととなっています。

 今回は、コロナウイルス感染症で休業となり休業手当を支払われたケースについて、すでに休業が解消している場合と、休業が続行している場合とに分けて、記載方法をお伝えします。
 

休業があった会社の算定基礎届

 会社が休業となり、低額の休業手当が支払われた場合は、低額の休業手当がある月は,休業手当の支払われた月を除いて、3か月ではなく、2か月の平均額又は1月だけの給与額を平均額とします。その修正した平均額を、記載する場所は、修正平均額という欄になります。そして、備考欄に、○月は○%の休業手当と記載します。

 現在、年金機構から、休業が解消している場合の記載方法としての説明が出ています。すでにコロナウイルス感染症の休業が解消している会社の場合は、4月5月6月の3か月のうち休業手当を含まない月のみで平均額を算出するようにとのことです。
 一方、まだ休業が、解消されていない会社様の場合は、休業手当が支給されている月も含めて計算するとのことで、こちらは修正平均額の記載は不要となります。

 また休業手当が、通常の給与額と全く同じ額(月給だけでなく通勤手当やその他の手当の含めて)、つまり100%支給の場合は、通常通りの事務処理をしてくださいとのことです。

 労働保険の年度更新の方は、8月31日まで手続きが延長されましたが、社会保険の方は、例年通り、7月10日までとなっています。期限もあることなので、間違いのないように、迅速に処理しましょう。

 >>給与計算や手続きの事務処理がわからない時はご連絡ください。

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