仕事中通勤中のケガは労災になる。
大きな怪我だけでなく、仕事をしているときや通勤の途中で、社員が転んでねん挫をした、打撲した等の怪我はよくあります。
そのようなとき、「ねん挫したかな・・・、大丈夫歩けるし」ということで、健康保険を使って、お医者さんにかかって、私傷病(仕事とは関係のないところでのケガ)として処置してしまっていることも結構あります。そして、後日、同僚や上司に、「労災でしょう」といわれて、労災として会社に報告してくることもあります。
労災とは、このように大きなケガや病気だけでなく、通常の仕事中に脚立を踏み外した、雨の日に滑って転んで打撲したというケースでも労災になります。
労災は、会社が保険料を全額負担する労働保険です。
労災は、労働基準法で規定している、社員の負った業務上の傷病(仕事中にする怪我病気)について、使用者に義務付けている災害補償を社会保険として実行する保険制度です。
保険料は、全額、会社が負担することになっているため、社員が保険料を納めることはありません。
また、会社が保険料を納め、災害を保証する社員は、正社員だけでなく、パートやアルバイト、不法就労者でも、どんな労働者でも、補償の対象になります。国は、会社に対して、業務災害については、万人に対して補償を義務付けているわけです。
業務上や通勤上で怪我をして病院にかかるときはどうするのか。
社員が、業務上の傷病で医者にかかったとき、どのようにすればよいのでしょうか。
かかった病院が、労災指定であるか、そうでないかで、労災保険の手続きが異なります。
また、健康保険でかかってしまった場合も、手続きが異なります。
なので、病院にかかったときには、初診のときに労災であることを病院に告げてください。
かかった病院が労災指定である場合は、社員が病院に支払う必要はなく、指定の書類を病院に提出すれば手続きは完了です。
かかった病院が労災指定でない場合は、全額を、いったん病院に支払い、その後、労基署へ指定の書類を提出すると、労基署から社員に、支払った費用が全額返還されます。
健康保険で病院にかかってしまった場合
健康保険ですでに、病院にかかって費用を支払っている場合は、労災に切替えることをかかった病院に告げてください。
かかった病院が労災指定の場合は、けんぽ協会に連絡して、労災であることを告げて、7割分(3割はすでに病院に支払い済み)をさらに支払い、7割分の領収書(協会けんぽからもらう)と3割分の領収書(病院からもらう)を協会けんぽからもらい、労基署へ指定の書類を提出しで労災の手続きをします。費用はすべて労基署から返還されます。
かかった病院が労災指定でない場合は、全額をいったん、病院に支払い、その後、労基署に病院からもらった領収書を添付して、労基署へ手続きをします。
○労災の手続きは、複雑です。専門家に依頼しましょう。
労災の手続きは、大変複雑です。専門家に任せてしまいましょう。できれば、顧問社労士がいると、大変スムーズに手続き処理ができます。