毎年10月に最低賃金が改定されます。

 最低賃金は、毎年、最低賃金審議会(公益代表、労働者代表、使用者代表の各同数の委員で構成)において、賃金の実態調査結果など各種統計資料を十分に参考にしながら審議を行い決定しています。最低賃金は地域別と産業別があります、一般の会社は地域別が適用になります。

昨年はコロナ禍で、ほとんどの都道府県で大きな改定はなかったのですが、今年は、その分、大幅に引き上げられています。おおよそ30円くらい引き上げられいるようです。

適用は10月1日からですので、賃金締切りが、10月1日から末日までの場合は、10月締切分から、賃金を引き上げればよいのですが、賃金締切日が9月から10月にまたぐ場合は、給与計算が大変になりますので、10月1日が含まれている月から、時給額を引き上げるのが、よいと思います。

最低賃金のチェックの仕方

 最低賃金は、時給で決められています。では、自社の最低賃金をチェックするにあたって、月給や日給等の場合は、どのようにチェックすればよいのでしょうか。チェックの仕方を並べてみます。

 1. 時間給の場合
時間給≧最低賃金額(時間額)

2. 日給の場合
日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
ただし、日額が定められている特定(産業別)最低賃金が適用される場合には、
日給≧最低賃金額(日額)

3. 月給の場合
月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

4. 出来高払制その他の請負制によって定められた賃金の場合
出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額を、当該賃金算定期間において出来高払制その他の請負制によって労働した総労働時間数で除した金額≧最低賃金(時間額)

5. 上記1〜4の組み合わせの場合
例えば基本給が日給制で各手当(職務手当等)が月給制などの場合は、それぞれ上の2、 3の式により時間額に換算し、それを合計したものと最低賃金額(時間額)と比較します。

わりとわかりやすいのですが、社員数が多い場合や、社員によって給与の支払い方が異なる場合は、エクセルで計算すれば、すぐ出ると思いますが、総務担当者は、一仕事増える時期でもあります。

派遣労働者の最低賃金は?

 ここで1つ、気になることがありますね。派遣労働者を使用している場合です。派遣労働者は、派遣元の事業場の所在地にかかわらず、派遣先の最低賃金が適用されます。

 その他、厚労省では、業務改善助成金を最低賃金と一緒に周知しています。こちらの助成金は、生産性を上げるための設備投資を導入して、事業場内での最低賃金を引き上げた場合、その引き上げ額に応じて、設備投資などにかかった費用の一部を助成するといものです。こちらの助成金の利用は、それなりに要件がございますので、ご相談くださいませ。

>>労務や助成金のご相談は、社労士 橋本事務所へご相談ください。

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