経営者も労災に加入できる制度が特別加入です。

 労災保険は、従業員が対象の保険となっていますが、中小企業の場合、経営者の立場であっても、役員としての仕事をする一方で、従業員の行う業務を行うのは一般的です。そのため、経営者も万が一に備えて、労災保険に加入できるのです。これを労災保険の特別加入と言います。

 特に建設業の場合、中小企業主とは異なり、一人親方という立場の経営者もいます。この場合、一人親方の労災保険加入という形で加入します。中小企業主であっても、一人親方であっても、建設業では、労災の特別加入をしていないと、仕事を請け負えないことが一般的です。

 そして、この度、国では、社会経済情勢の変化から、フリーランスも労災の対象にする整備を始めました。

特別加入には、条件があります。

 この特別加入をするには、条件があります。まず、労働保険事務組合を通じて手続きをしなければならないため、労働保険事務組合に加入する必要があります。また対象となる中小企業主は、労働者数が小売業など50人以下、卸売・サービス業100人以下、製造業、運輸業、建設業など300人以下の規模の経営者です。

特別加入するとどんな保障があるのか。

 特別加入すると、経営者も、従業員と同じように、業務上および通勤においての災害について、労災の給付が受けられます。しかし、給付の対処となる災害は、労働者と同じような業務をしながら遭遇した 災害についてであり、社長・経営者としての業務中での被災は補償対象とはなりません。例えば、接待や役員会、夜間や休日に1人で仕事をしていた場合などにおいてのケガは、対象にはならないのです。

 給付でひと言付け加えると、障害や遺族の給付ついては、労災保険と厚生年金と両方が支給される場合、厚生年金は全額支給されますが、労災の方は、併給調整(少し減額)されます。
 

フリーランスの労災適用が整備されました。

 先に述べたように、この4月から、フリーランスの4業種が、労災の適用に追加されました。1つ目は、放送番組(広告放送を含む)、映画、寄席、劇場などにおける音楽、演芸、その他の芸能の提供の作業またはその演出もしくは企画の作業(芸能従事者)、2つ目はアニメーションの制作従事者、3つ目は柔道整復師、4つ目は改正高年齢者雇用安定法に基づいて創業支援等措置により就業する者、となっています。

 そして、さらに現在、検討しているのが、フードデリバリーの配達員、情報サービス業従事者で、9月に対象となるの予定です。

 とくに、こちら2業種は、最近、増加している業種ですが、配達中の交通事故や長時間デスクワークでの心筋梗塞や腰痛、過度なストレスによる抑うつなども少なくありません。

 現在、フリーランスで働いている方など、追加施行がされたら、ぜひ、加入なさってください。

>>労災保険の特別加入は、社労士 橋本事務所へお問い合わせください。

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