雇用シェアリングで雇用維持を確保

 新型コロナウイルス感染症による経済低迷の影響で、社員の雇用維持が、難しくなってきている昨今ですが、雇用シェアリングで、社員の雇用を守る、社員の労働条件を守るという人材活用が、注目を集めています。

 国としては、企業規模に関係なく、雇用シェアリングを広めていきたい方針です。雇用シェアリングとは在籍出向のことです。しかしながら、問題もあります。出向先と社員とのマッチングです。そこで、産業雇用安定センターが乗り出し、マッチングのサポートも始めました。

 全国47都道府県の事務所で、幅広い人材の採用、社員の再就職・出向を無料で支援しています。出向活用の例としては、観光バス(観光客減)からトラック運送(食糧品や衛星要因等の運送が増)へ、レストラン(調理師)からスーパーマーケット(食品の調理)への在籍出向があります。

 もちろん、在籍出向ですので、原則として、このコロナ禍が回復したときは、出向元に戻ることを視野に入れての出向となります。

 このような雇用シェアリングを広めるため、雇用安定助成金がこの2月に創設されました。出向元と出向先の双方の事業主を助成するものです。

産業雇用安定助成金の内容

 どのような内容の助成金でしょうか。目的は、新型コロナウイルス感染症の影響により、事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主が在籍型出向により労働者の雇用を維持する場合に、出向先と出向元の双方に対して助成される助成金です。

 一言でいえば、新型コロナウイルス感染症による、雇用維持のための雇用シェアリングです。雇用シェアリングについては、出向元と出向先が、資本的・経済的・組織的に関連性がないこと、出向先で別の人を離職させるなどしていないこと等が要件になります。

助成される内容については2つあり、出向初期経費と出向運営経費です。出向初期経費は、就業規則や労働契約書の整備費用、出向元が出向に際して予め行う教育訓練、出向先が出向者を受け入れるための機器や備品の整備費用などが対象となり、出向元出向先のそれぞれに1人あたり10万円です。

出向運営経費は、出向元及び出向先が負担する賃金、教育訓練及び労務管理に関する調整費用など、出向中に要する経費の一部が助成されます。助成額は、上限1日12000円で、中小企業は経費の9/10が助成されます。

手続きは、予め出向者の同意を得て、出向先と出向元を共同事業主として出向計画届を提出し、出向後、月単位で、共同事業主として支給申請手続きをします。

これから、雇用シェアリングを活用してみようという事業主様は、ぜひ活用なさってください。

>>助成金のご相談は、こちらからどうぞ。

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