司法で損害賠償や差し止め請求をするには、立証が難しい。
社員の競業避止義務や秘密保持義務は、在職中のみならず退職後も社員は守らなければならない。しかし、どの程度、どこまでその義務が及ぶのか。
社員には、職業選択の自由が憲法で保障されているため、競業避止義務を会社側が無条件に課することはできない。
さらに、具体的に立証する材料をそろえるのが大変であるため、社員が同僚や顧客を引き抜いて、独立したとしても、司法で損害賠償請求や差し止め請求をすることは難しい。
起きてしまっては困るトラブルなのである。こんなトラブルこそ、起きないように、会社側がリスクヘッジをしておかなければならないのである。
起きては困るトラブルを、事前にリスクヘッジするのが就業規則です。
このトラブルで、会社が対抗策をとるには、競業避止義務や秘密保持義務について、就業規則に定めがあるかどうかがカギになります。
そして、それがどんな規定であるか・・・。合理的な内容であり、社会通念上妥当でないと、その規定も、拘束力がありません。在職中のみならず、退職後も義務があることを規定しておかなければなりません。
さらに、社内に協力者がいる場合があるかもしれません。在職中の協力者に対しては、懲戒処分ができる規定も、就業規則には必要です。
退職してしまった社員には、退職金の一部又は全部を支給しない旨の規定があれば、退職金の不支給という懲戒処分も可能でしょう。
このように、就業規則に、大切なことを定めておかないと、いざという時に会社は対抗できません。
就業規則は、専門家の社会保険労務士に整備してもらおう。
就業規則は、細かくて専門的な内容なので、専門家でないと、整備ができません。
また、すでにある就業規則の変更には、不利益変更かどうかが問題になり、不利益変更となれば、変更は難しいです。
>>トラブルが起きる前に、しっかり自社にあった就業規則の整備をしておくことが重要です。就業規則の整備については、 専門家である社会保険労務士に、相談なさってくださいね。