3月にテレワークガイドラインが改定されました
3月下旬に厚労省より、「テレワークの適切な導入および実施の推進のためのガイドライン」の改定が公表されました。現在の社会状況の中で、テレワークの推進が急ピッチで進められており、働き方を変えるチャンスとして、会社は、大きな曲がり角に来ています。
このガイドライン中で挙げられているポイントは、すべて、テレワーク導入において、重要な事ばかりです。特に、テレワーク導入は、ペーパレス化の実施と業務効率化が目的です。そのためには、今まで電子媒体と縁がなかった社員もネット環境に慣れていくことが必要になりました。その他、在宅ワークが中心となる場合、社員には、メンタル不調の対策なども必要になりました。
今回は、テレワークに縁がなかった業種や会社様が、どのようにテレワーク導入をしていくのかを考えてみたいと思います。
電子機器やソフトの準備や社員の研修が必要です。
中小企業では、電子機器になれていない社員が多いかもしれません。特に、今まで通り、FAXや郵便などでのコミュニケーションを続行していくかもしれません。しかし、このコロナ禍で、大きく姿勢を変えていかなければならない状況となりました。在宅勤務や非接触型での業務が必要となり、テレワークをしなければならなくなったからです。
中小企業がテレワークを導入するには、電子機器やコミュニケーションツール、その他必要なソフト等の導入を、最初に、検討しなければなりません。そして、どの業務で、どの社員にテレワークを利用するかを検討しなければなりません。
社員への端末の支給や、会社のネット回線の整備などを会社はしなければなりません。どのような端末やソフト、ネット回線が適合するかを調査検討しなければなりません。テレワークの就業場所も必要です。在宅の場合、自宅にテレワークの場所がない社員もいます。その場合、サテライトオフィスなどの用意も必要かもしれません。
このような基本的な整備に大きな経費がかかります。それに対して、助成金等が昨年から用意されています。ただ、助成金等は、申請期間や要件が必要になりますので、最寄りの担当役所または社労士に相談なさってください。
経費は、整備費用だけでなく、稼働するのにも費用が発生します。その費用をどうするかも、検討し労使で話し合わなければなりません。準備には結構、時間と相談相手が必要となります。
一方、ネットワーク環境に慣れない社員のために、社員に研修する必要もあります。電子機器の利用だけでなく、電子機器利用による効率の良い業務遂行をするには、社員自身で業務効率を上げていく自立型の社員を育成していく必要もあるのです。
テレワークに必要な自律型社員
ガイドラインにおいては、テレワークでの人事評価や人材育成についても、触れています。労働時間の管理としては、当事務所の意見としては、事業場外みなし労働時間制が良いのではないかと思います。もちろん会社の業務や体制によって労働時間をどう管理するかは、異なります。
人事評価については、社員に求めるものや水準等を具体的に示しておくことが望ましいとしています。この基準がないと、もはやテレワークは成り立たないでしょう。
テレワークを導入するには、処々の専門家が必要になります。この社会状況ですので、働き方改革を含めて、テレワーク環境の構築をできるだけ早くしていきましょう。