複数の会社で働く65歳超の就業者の保護

 年金開始年齢の引き上げや、少子高齢化などの影響で、65歳までの雇用の確保として継続雇用制度や定年の引き上げなどが定められていた高年齢者雇用安定法ですが、昨今は、70歳まで、いいえ70歳以上、生涯現役で就業する方々が増加しました。

 そして、マルチジョブホルダーとして、2つ以上の会社をかけもちして、働く方々の割合が増加しています。この場合、1つの事業所で20時間未満ですと、雇用保険に加入できないという状況がでてきています。雇用保険だけでなく、労災保険での保護もさらに必要というマルチジョブホルダーといわれる方々を保護する法律案が作成され、国会に提出されます。

 これによって、少子高齢化どころか超高齢社会となっている日本で、65歳を超えても働く人々を保護できる体制が整うことになります。

 人生100年時代に向かっている日本で、安心して、定年後も何かに挑戦して社会で活躍していけるのは、喜ばしいことです。

具体的に65歳超えの就業者はどのようなに保護されるのか。

雇用保険法の改正案は、失業時に高年齢求職者給付を支給する。1事業所のみの離職であっても、その事業所での賃金に基づき算出した給付を支給するようです。

 労災保険法の改正案においては、新たな給付制度を創設するとのことです。複数就業の場合に労災にあったら、使用される事業所ごとに算定した給付基礎日額に相当する額を合算した額に基づいて、計算される給付を支給するようです。

 労働施策総合推進法の改正では、労働者の職業選択がしやすいように、職場や職業に関する情報提供の拡充として、中途採用の情報公表を促進するため常時雇用300名超えの事業所では、中途採用者の割合を公表しなければならないとしています。

 高年齢雇用安定法では、65歳以上の継続雇用制度、定年の引き上げ・廃止、起業や社会貢献活動への支援が盛り込まれています。

 施行日は、令和2年4月1日を予定しています。

○雇用関係助成金の拡充
  雇用保険法の助成金も改正されます。求職者雇用開発助成金に「就職氷河期世代安定雇用事件コース」を創設し、失業中の者のみならず、非正規雇用労働者も新たに支援対象とされます。

一般トライアルコース助成金については、安定した職業についていない者の45歳未満地なっていましたが、55歳未満に引き上げられます。

超高齢社会での高齢就業者の活用

 世界でも屈指の超高齢社会をむかえる日本ですが、企業も高齢の就業者を上手に活用して企業の運営を向上させる手段としていくときが来ています。

 法律も超高齢社会を支援すべく、動いています。どんな人材をどのように活用していくか、どのように会社の人事労務をまわしていくかを考える、ある意味楽しい時代になってきました。超高齢社会の中での企業の在り方を、素晴らしいものにしましょう。

 >>ぜひ、人事労務の専門家の社会保険労務士にご相談くださいませ。

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