給与振込がデジタル化になる。

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給与振込がスマートフォン決済でできる

厚生労働省は、デジタルマネーでの給与支払いができるよう、2018年ころから議論してきましたが、2020年度内の実現を目指しているようです。ただ、このデジタル化を制度化するに当たっては、問題があり、特に安全性については大きな課題となっており、話がスムーズにいかないようです。

さらに、9月に発生した、資金移動業者に係る不正資金流失事件が、制度化への足かせとなっているように思われます。

 今回、給与振込で使われるデジタルマネー化は、資金移動業者の口座を通じてデジタルマネーを労働者へ支払う、というものです。ペイロールカードや一部のスマホ決済など、資金移動業者として登録している事業者が提供するサービスが対象とされています。

具体的には、資金移動業者が発行するアカウントへの給与振込が可能になります。

労働基準法に定められた給与の支払いが課題

  デジタル化で給与を支払うとなると、労働基準法の問題があります。給与の支払い方については、労働基準法では、通貨で支払うこととなっており、施行規則で例外として労働者の同意のもとに口座振込ができることになっています。

 デジタルマネーなど現金・口座振込以外で給与を支払うことは、現時点では認められていないため、「デジタルマネーでの給与支払い」を実現するためには、労働基準法の改正が必要になってきます。

 とはいえ、国は、デジタル化を進めるため、デジタル庁の創設を表明しました。キャッシュレス社会を目指す国の施策として、給与振込のキャッシュレス化は、早期に始動したい施策でしょう。

デジタルマネー給与振込のメリット・デメリット

資金移動業者による、口座への給与振込では、デジタルマネーで給与を受け取った労働者は、デジタルマネーでそのまま直接決済をおこなったり、現金として引き出すことも可能になります。

 とくに利用の中心となる若い社員にとっては、大変好ましい決済方法でしょう。また外国人労働者にとっても、給与振り込みの銀行口座を開設するのは大変なので、このようなデジタル化給与振込となると、外国人労働者の生活が便利になり、雇用確保もしやすくなります。
会社側も、銀行振込に比べると手数料をおさえることができるので、経費削減につながります。

 一方、メリットもあればデメリットもあります。現在、最も大きな課題とされている安全性ですが、給与が経由する資金移動業者に何かあった時に、労働者が長期間給与を引き出せなくなるようなことになりかねません。労働者にとっては大事な生活費ですから、どんな場合でも滞りなく給与支払いができるようにしておかなければなりません。

さらに、不正資金流失などの対策も準備しなければならないでしょう。安全性という課題が、立ちふさがっていますが、給与振込口座のデジタル化を早期に進めてもらうことで、キャッシュレス化が国民に浸透していくでしょう。

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